01.23.05:05
[PR]
05.02.18:01
CRY 准受け18禁
絶え絶えの呼吸が埃にむせる体育倉庫に響いた。今にも切れそうな蛍光灯は、苦しそうな息づかいに同調するかのように不規則に点滅する。浅ましい欲を持て余した数人の牡がこの小部屋の空気をさらに陰鬱な湿気を孕んだものに変えていた。少年の白い脚が纏い付く汗や体臭の淀みから逃れるように宙を蹴る。
太腿に指の跡が付くほど強く掴まれる。もがくように振り上げた手足は難なく押さえ込まれた。
シャツの留め金が弾け飛び、ファスナーが下ろされる音がする。准にはそれがどうしようもなく恐ろしく聞こえた。
准を放課後ここに呼び出した上級生は、ただ「ヤりやすいから」という理由だけで畳んでしまわれていた卓球台を用具入れの奥から出した。抱き上げられるというよりも投げだされるように冷たい板の上に引きずり倒される。動かし易いようキャスターが付けられぐらぐら動く卓球台に張り付けられた准は、その不安定さよりもむしろ卓球台が黒板と同じ色をしていることに躰を強張らせていた。
横を向くと視界に一面の深緑と、白い枠が広がる。それは担任の教師がチョークで丁寧に綴る白線に似ていた。しかし拒絶するように頭を振る准の顔はすぐに上向かされ、無理矢理唇をこじ開けられた。
手を頭上に、膝を大きく開かされ、数人の上級生に押さえつけられる。
がむしゃらに蹴り上げもがくほど、脇を締めるように腕を捻られた。
「ちょっとは大人しくしてろよ」
前髪を乱暴に掴まれ浮き上がった後頭部を続けざまに叩きつけられた。
吐き気を伴う苦痛に呻く。視界が歪み手足に全く力が入らない。
「誰か縛れるもん持ってない?」
と上擦った声がどこからか聞こえる。逃げなければ、と思うがそんなことが出来るなら疾うにそうしていた。
突如掴まれた両手首が自由になる。その瞬間体を反転された。あの我慢成らない深緑が再び視界いっぱいに広がり准は呻きながら目を閉じた。背中で重ねられた手首に当たったのは柔らかいゴムの感触だった。滑らかなそれが触れるように巻き付き、次の瞬間にはぎりぎりと締め上げられる。食い込む弾力のある紐が、ありふれた縄跳びであることは揶揄するような男の言葉ですぐに解った。
再び仰向けにひっくり返される。背中と卓球台に挟まれた腕が痺れたが、さらに悪いことは背中側に腕があるせいでどうしても腰が持ち上がるような体勢になってしまうことだった。
腕に引っかかるだけのシャツを残して全て下肢の衣服を取り払われる。膝を掴み脚の間で笑う男の顔が不愉快でぎゅっと目をつぶったが、下卑た顔が瞼の裏で鮮明に焼き付いてしまったのであまり意味はなかった。
「なあ、本当にやんの?」
「今更ひけるかって、お前こいつのこと好きだったんだろ?」
性的な興奮のためか罪悪感のためかあるいは単に犯罪をしているという高揚感のためか男の声は上擦っている。好意を向けられることでこんなことをされるのは堪ったものじゃない、と准はますます惨めになった。
「でもどうすればいいかわかんねーし」
「とりあえず慣らすってゆーの?何かつっこんどけばいいだろ」
自分でもあまり触れない自分の躰の一部を、言葉も交わしたことのない他人の指に撫で回される。気持ち悪い、と思うまでもない。逃れることに精一杯だった。
「お、これでいいじゃん?」
『何か』が器官を通して躰に侵入する。
苦痛と不快感に喉を仰け反らせ背中を浮かせると男達はげらげらと笑った。やめて、やだ、と叫ぶが聞き入れられるはずがなかった。何かが抜き差しされ、時に抉るように回転させるように出入りした。
准は甲高く拒絶を叫び続けたが、悲鳴が意図しない熱に晒された嬌声に変わるころ、堅く口を閉ざした。みっともない喘ぎ声を聞かせるくらいなら、と拒絶の言葉も飲み込んだ唇は紅い血を一筋流した。
最初に躊躇していた男は、耐えながらも徐々に反応を見せ始め熱に染まり始めた准の躰に煽られたのか今はもう罪悪感のカケラも見せずに嬲ることに集中し始めた。
「ぁ、ぁ、ん、ぅう、やだ、やだ…っ!」
叫びながら身を捩り気付いた。手首を括る紐と『それ』が繋がっていることに。男は一度棒を抜くと准に見えるように『それ』を掲げて見せた。白い持ち手は血ですっかり濡れていたが、まだ何も始まってはいなかった。
――――――