01.23.04:53
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01.28.02:13
4.包帯
- [CATEGORY:ハードエロ妄想さんに50のお題 COMMENT:0 TRACKBACK]
4.包帯
【注意書き】
嫉妬に狂った命さんの軸がぶれてます。テンプレなまでの鬼畜眼鏡医者です。すみません、キャラ崩壊しているんで裏行き。
【共通の注意書き】
こっちの裏ページは書きたいシーンだけいきなり始まりいきなり終わるぶつ切りが基本スタンスなのでものすごい短い上に、それ単体では全く救いがない感じなのですが、その後幸せになる感じの望准がベースなのはどれも変わりませんので、そんな感じで念頭においていだければ幸いです。
「なんの真似ですか、いとしき先生。糸色、命先生」
天井を見上げる。白くまあるい蛍光灯がちかちかと点滅するように見えたのは、僕が瞬きをしたからかもしれない。
だって、どうしてこんなところに居るのかわからなかったから。
「好きに呼んでくれてかまわないよ」
僕を見下ろす白衣の男の人は、僕の大好きな糸色先生に似ていた。でも似ているだけで、僕が見間違えることは決して、ない。
「僕にとって、先生は一人だけですから」
背中に当たる硬い感触。低い枕。どうやら診察台のベッドに寝かせられているようだった。起き上がろうとしたがうまく体が動かない。酷い頭痛と、風邪を引いた時のようなぼんやりとした倦怠感。
「うん、それはよくわかる。私にとっても弟は一人だからな。私が何を言いたいか、わかるかな?」
そう、何か良くない薬のような物を飲まされた。先生のことで話があると、下校途中でこの糸色医院に誘われるまま。それっきり記憶がぷつりと途絶えていえる。ちらりと窓に目をやると、分厚いカーテンが引かれていた。昼か夜かわからない。ただ、やたらと存在を主張する蛍光灯の光の強さは、夜を思わせた。
どうしよう。うまく頭が働かない。
頭痛に邪魔される思考は緩慢で、今の状況が容易には飲み込めなかった。先生のお兄さんに好かれていない、とは薄々感じていたけれど、ここまでとは思わなかった。
「……わかりません」
ようやく飛び出た言葉は、掠れ震えていた。
「聡いきみのことだ、わからないということはないだろう?」
顎を爪で撫でられた。ぞっとするほど冷たい指。ふりほどこうとしたが手も足も動かなかった。顔をそむけるだけで精一杯。
「わからないなら、教えてあげるよ」
シーツの上に投げだしたまま動かない手首を乱暴に掴まれる。自分の手じゃないみたいにぐにゃりと力が抜けた。命さんがポケットから取り出した白いロールの正体がわかったのは、両方の手首を交差するようにぐるぐると巻かれたから。伸縮性のある布は包帯に違いなかった。頭上で括られた手首は、そのままベッドの鉄柵に結ばれる。緩く肘を曲げた状態なので痛みはないが、逃げることのできない恐怖に戦いた。
「やめて、やめてください」
ぷちん、ぷちん、と一つずつ、制服のシャツの釦が外される。外気に触れる寒さに鳥肌がたつ、すべて剥き出しにされたあとはベルトに手がかかった。
「幸い、時間だけはたっぷりある。きみがここにいることを誰も知らない。君を傷つけるお誂えむきの道具もそろっている。もちろん、それを手当てする道具もね」
「離して……!」
薬の効果が切れてきたのか、力が戻りつつあった足を目茶苦茶に振り上げる。しかしあっさりとかわされ、足の間に入るようにして命さんは僕の上に乗り上げた。それだけで、僕には覆い被さるようにして制服を引きはがす。
「はは。冗談だよ。医者が怪我人を作るものか」
命さんは天井を見上げる僕の顔の脇に両腕をつく。僕は命さんの影で覆われた。僕を見下ろしにっこりと笑う切れ長の瞳は僕の大好きな先生に、ちょっとだけ似ている。
「……貴方ならやりかねない」
「いやいや、そんな馬鹿げたことはしないよ。…ただ、そうだなあ」
その宣告が僕の耳に届いた時には、唇を塞がれていた。
「もう二度と、あの子の……望の前に出れない体にしてやろうか」
それからあとのことはよく覚えていない。
思い出したくもない。
ただ、涙も声も涸れ果てた心がずっと愛しいあの人の名前を叫んでいた。
――――
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